2年8ヶ月ぶりの帰還
34歳のネイマールが、サプライズでブラジル代表に戻ってきた。
ブラジルサッカー連盟(CBF)は2026年5月18日(日本時間19日)、FIFAワールドカップ2026北中米大会に臨む代表メンバー26人を発表した。最大の注目点は、FWネイマール(サントス)の選出だ。2023年10月のW杯南米予選コロンビア戦で左膝前十字靭帯を断裂し、2年8ヶ月にわたって代表から遠ざかっていた34歳のエースが、土壇場で本大会メンバーに滑り込んだ。
ブラジル代表の最多得点記録を持つネイマールにとって、今大会は2014年、2018年、2022年に続くW杯4大会連続出場となる。
アンチェロッティが翻意した理由
カルロ・アンチェロッティ監督は、3月の最終予備活動ではネイマールを選外としていた。「100%の状態ではない」がその理由だった。
だが、2ヶ月後の本大会メンバー発表では判断を覆した。アンチェロッティ監督は選出理由についてこう語っている。「我々は年間を通じてネイマールの評価を行った。彼は重要な選手であり、このワールドカップでも重要な役割を担うだろう」。一方で、起用法については「スタメン、途中出場、ベンチに座る可能性もある。他の25人と同じ責任がある」と、特別扱いをしない姿勢も明確にした。
怪我との闘い
ネイマールは2023年10月の負傷後、2025年1月に古巣サントスへ復帰した。しかしサントスに戻ってからも左膝の不具合を繰り返し、シーズンを通じてコンディションが安定しない日々が続いた。そうした状況でもアンチェロッティは「彼がコンディションを取り戻せば、W杯に出場できる可能性はある」と可能性を閉ざさなかった。
3月時点での選外という判断は、逆にネイマールを奮い立たせたとも言える。最終的な選出は「本人が最後に状態を上げてきた」証明でもある。
攻撃陣の顔ぶれ
ブラジルの最大の強みは、FW陣の層の厚さだ。
ネイマールを含むFW9名の顔ぶれは以下のとおり。
- ヴィニシウスJr.(レアル・マドリード)
- ラフィーニャ(FCバルセロナ)
- マテウス・クーニャ(マンチェスターU)
- エンドリッキ(オリンピック・リヨン)
- ガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)
- イゴール・チアゴ(ブレントフォード)
- ルイス・エンリケ(ゼニト)
- ラヤン(AFCボーンマス)
- ネイマール(サントス)
欧州主要クラブを主戦場とする選手が揃う中、ネイマールのサントス(ブラジル国内)という所属が異彩を放つ。34歳のセレソンのシンボルは、体裁よりも存在感で選ばれた。
メンバー全26名
GK: アリソン(リヴァプール)、エデルソン(フェネルバフチェ)、ウェヴェルトン(グレミオ)
DF: アレックス・サンドロ(フラメンゴ)、ブレメル(ユヴェントス)、ダニーロ(フラメンゴ)、ドウグラス・サントス(ゼニト)、ガブリエウ・マガリャンイス(アーセナル)、イバニェス(アル・ヒラル)、レオ・ペレイラ(フラメンゴ)、マルキーニョス(PSG)、ウェスレイ(ローマ)
MF: ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)、カゼミーロ(マンチェスターU)、ダニーロ(ボタフォゴ)、ファビーニョ(アル・イテハド)、ルーカス・パケタ(フラメンゴ)
FW: エンドリッキ(リヨン)、ガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)、イゴール・チアゴ(ブレントフォード)、ルイス・エンリケ(ゼニト)、マテウス・クーニャ(マンチェスターU)、ネイマール(サントス)、ラフィーニャ(バルセロナ)、ラヤン(ボーンマス)、ヴィニシウスJr.(レアル・マドリード)
グループCの展望
ブラジルはグループCに入り、モロッコ、ハイチ、スコットランドと対戦する。日程は以下のとおりだ。
- 6月14日:対モロッコ(初戦)
- 6月20日:対ハイチ
- 6月25日:対スコットランド
モロッコは前回W杯でベスト4に入った強豪だが、ハイチ・スコットランドとの対戦を含め、グループ突破は現実的なラインにある。ネイマールがどの試合で出場機会を得るのか、アンチェロッティの采配とともに注目だ。
34歳の最後のW杯
ネイマールにとって、これが最後のW杯となる可能性が高い。2014年のホーム大会では準決勝ドイツ戦前に骨折離脱し、1-7の悲劇を当事者として経験することになった。2018年・2022年大会でもブラジルはベスト8で敗退し、悲願の優勝に届いていない。
34歳、怪我続きのキャリア晩年、北中米の大舞台——それでもセレソンはネイマールを選んだ。アンチェロッティが「重要な選手」と評した言葉の重さを、本番のピッチで証明できるか。それがブラジルにとっての最大の見どころでもある。

