ヤマル開幕戦欠場濃厚、フェルミンロペスは絶望的|スペイン W杯二重の試練

ナショナルチーム

スペイン代表がW杯2026を前に、明暗の分かれるニュースに揺れている。右足第5中足骨を骨折したフェルミン・ロペス(23)の本大会欠場が確実となった一方、ラミン・ヤマル(18)の回復は進んでいるものの、開幕戦出場は依然として不透明な状況だ。 優勝候補筆頭と目されるラ・ロハにとって、大会直前の選手管理が最大の課題となっている。

ヤマル負傷の経緯と現在地

ヤマルは4月22日のラ・リーガ第33節セルタ戦(1-0)の前半40分、決勝点となるPKを決めた直後に左足ハムストリング(大腿二頭筋)を痛めてピッチに倒れ込み、そのまま交代した。 試合翌日の精密検査でバルセロナ公式は「左ハムストリング(大腿二頭筋)の保存療法で治療。今シーズン残り試合は欠場するが、ワールドカップへの出場は可能見込み」と発表しており、W杯出場自体は当初から想定内だった。 全治は少なくとも5週間とされ、長引けばW杯序盤の欠場も避けられない状況だ。

その後の回復は徐々に進んでおり、5月4日時点でバルセロナの練習施設にて芝生上の個人トレーニングを再開した。 ただし、スポーツメディア「ジ・アスレチック」(5月18日報道)によれば、6月15日の初戦カーボベルデ戦は欠場する見込みで、6月21日の第2戦サウジアラビア戦の出場も不透明な状況は変わっていない。 スペイン代表はバルセロナと密に連絡を取り合い、専属メディカルスタッフが経過を観察している。

注目すべきは、デ・ラ・フエンテ監督が「大会序盤は短時間出場の方が効果的かもしれない」と語り、グループステージ序盤でのインパクト交代起用を検討していることだ。 ノックアウトステージに向けて徐々に試合勘を取り戻させ、決勝トーナメントでの先発復帰を見据えたマネジメントが現実路線となっている。

フェルミン・ロペスは欠場確実

悲報を受けたのがフェルミン・ロペスだ。バルセロナは5月18日、フェルミンが前日5月17日のラ・リーガ最終節レアル・ベティス戦で右足の第5中足骨を骨折し、手術を受けると正式発表した。 前半のみで途中交代しており、MRI検査で骨折が確認されたという。 スペイン紙アスは回復に約2カ月を要すると報じており、6月11日開幕のW杯北中米大会への出場は事実上絶望的だ。

第5中足骨骨折——いわゆる「ジョーンズ骨折」——は、血流が乏しい部位ゆえに癒合が遅く、サッカー選手にとって特に厄介な負傷として知られる。 手術を選択したことは長期離脱を意味し、W杯開幕には到底間に合わない。ラ・リーガ最終節という最後の試合で負傷したことも、悲劇に一層の色を添えている。

バルセロナ連覇の立役者が消える痛手

フェルミンは今季バルセロナで公式戦48試合に出場し、13ゴール17アシストを記録した。 ラ・リーガ連覇の立役者として評価が急上昇し、スペイン代表の予備登録55名にも名を連ねていただけに、その欠場は大きな痛手だ。 2024年にスペイン代表デビューを果たし、これまでに7試合に出場してきた23歳にとって、4年に一度の祭典を見送ることになった。

ボックス・トゥ・ボックス型の万能ミッドフィールダーとして、守備への貢献、前線への飛び出し、得点力すべてを高水準で兼ね備えた彼の存在は、スペインのプレッシングサッカーの中核をなすものだった。 スペイン連盟は5月25日にW杯最終招集メンバー26名を発表する予定であり、 フェルミンの代替招集が誰になるかに注目が集まっている。

布陣への影響と代役候補

デ・ラ・フエンテ監督は、フェルミン不在の中盤をどう再編するかという課題に向き合っている。候補として挙がるのはペドリ、ダニ・オルモ、アレックス・バエナら。4月時点の現地メディアの報道では、フェルミンはW杯行きの「確定21名」に含まれており、 代替招集の候補についても5月25日の発表で明らかになる見込みだ。

ヤマルについては、グループステージ序盤での「インパクト交代起用」という監督の発言が現実路線を示している。 スペインのグループHの日程は初戦・カーボベルデ(6月15日・アトランタ)、第2戦・サウジアラビア(6月21日・アトランタ)、第3戦・ウルグアイ(6月26日・グアダラハラ)と続き、 決勝トーナメントに向けてヤマルを段階的に仕上げていく采配が求められる。

それでも「ラ・ロハ」は揺るがない

前回ユーロ2024王者として迎えるW杯2026、フェルミン離脱の痛手はあれど、スペインが優勝候補の地位から滑り落ちるわけではない。ペドリ、ガビ、モラタ、ニコ・ウィリアムズ、マルティン・スビメンディ——タレントが揃う中盤・前線の厚みは欧州随一だ。

ヤマルは今季公式戦45試合で24ゴール・18アシストをマークし、バルセロナの二冠を牽引した。 万全でなくともその存在感はチームに計り知れない影響を与える。7月13日には準決勝第1試合の前日に19歳を迎えるこの天才が、 ワールドカップという最大の舞台でどんな輝きを見せるか——スペインの優勝への道は、ヤマルの回復と歩調を合わせて開けていく。

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