「やはりこの男は頼りになる」。サポーターがそう胸をなでおろしたに違いありません。プレミアリーグ第13節、マンチェスター・シティはホームでリーズ・ユナイテッドと対戦し、3-2の激闘を制しました。絶対的エースのアーリング・ハーランドが沈黙する中、チームを救ったのはフィル・フォーデン。開始早々の先制点と、試合終了間際の劇的な決勝ゴールで主役の座をさらいました。なぜシティはこれほど苦戦したのか? そして浮き彫りになった「優勝への課題」とは? 90分間のドラマをわかりやすく解説します。
開始59秒の衝撃と「完璧すぎた」前半戦
試合は予想外のスピードで動き出しました。キックオフからわずか59秒、ベルナルド・シウバとマテウス・ヌネスが右サイドを崩すと、最後はフィル・フォーデンが鮮やかにネットを揺らして先制。電光石火の一撃でした 。
さらに25分には、DFのヨシュコ・グヴァルディオルが追加点を挙げ、スコアは2-0に。この時点でのマンチェスター・シティは、まさに「無敵」の状態でした。プレミアリーグ公式サイトの記事によると、この試合の前半、シティが記録した「ゴール期待値(xG)」は2.39。これは今シーズンのどの試合の前半よりも高い数字です 。
「xG(ゴール期待値)」とは、シュートの位置や状況から「どれくらいの確率で点が入るか」を数値化したもの。つまり、シティは前半だけで2〜3点は確実に入るような決定機を量産していたことになります。誰もがこのままシティの圧勝で終わると信じて疑いませんでした。
悪夢の後半:リーズの奇策とシティの混乱
しかし、サッカーの怖さはハーフタイムを境に流れが一変するところにあります。後半、リーズのダニエル・ファルケ監督は大胆な勝負に出ました。
この変更がシティを混乱に陥れました。後半開始わずか4分、交代出場のカルバート=ルーウィンがいきなりゴールを奪い1点を返します。これがリーズにとってこの試合最初の枠内シュートでした。
流れを変えたいシティのジョゼップ・グアルディオラ監督(ペップ)は、GKジャンルイジ・ドンナルンマが治療を受けている中断時間を利用して、ピッチ脇で選手たちに熱心に戦術ボードを使って指示を出しました 。しかし、リーズの勢いは止まりません。
68分にはグヴァルディオルがペナルティエリア内でファウルを犯し、PKを献上。キッカーのルーカス・エヌメチャのシュートは一度弾かれましたが、こぼれ球を押し込まれ、ついに2-2の同点に追いつかれてしまいました 。
ハーランド沈黙の中で輝いた「マンチェスターの至宝」
いつもならここで頼りになるのが怪物アーリング・ハーランドですが、この日の彼は完全に抑え込まれていました。なんと88分になるまでシュートを1本も打てないという、彼にしては珍しい不調ぶりだったのです 。
引き分け濃厚の空気が漂い始めたアディショナルタイム、チームを救ったのは再びフォーデンでした。
ボックス内でボールを受けると、相手DFを背負いながら鋭く反転。視界が悪い中でも感覚でゴール隅を捉えたシュートを放ち、土壇場で3-2とする決勝点を叩き込みました。
試合後、フォーデンは「前半は完全に支配していたけど、相手がシステムを変えてきて対応に苦しんだ。でも最後にスペースを見つけられてよかった」と、安堵の表情で語っています 。
今後の見どころ:浮き彫りになった「2つの顔」
ここからは、今回の試合で見えた「今後の観戦ポイント」を少し深掘りします。今のマンチェスター・シティは、極端な「二面性」を抱えています。
1. 前半は世界最強、後半は別のチーム?
今シーズンのデータを分析すると、シティの「前半」と「後半」のパフォーマンスには大きな差があります。
- 前半の総xG: 15.5(圧倒的な攻撃力)
- 後半の総xG: 9.3(平凡な数字に低下)
この試合でも、前半は圧倒的だったのに、後半のxGはわずか0.36まで落ち込みました 。相手が戦術を変えてきた後半に対応が遅れ、失速するパターンが癖になっているのです。
2. 首位アーセナルとの距離
今回の勝利でシティは2位をキープしましたが、首位アーセナルとの勝ち点差が開く可能性があります。過去のデータでは、この時期に勝ち点を7以上離して首位に立ったチームは、高い確率でそのまま優勝しています 。
「後半の失速癖」をどう修正するか、そして「ハーランド以外の得点源」をどう確保するか。フォーデンの復活は明るい材料ですが、ペップ監督にとっては頭の痛い課題も残る一戦となりました。
まとめ
ハラハラする展開でしたが、終わってみればマンチェスター・シティの底力が勝った試合でした。
- フォーデンの完全復活: エース不発の日も彼がいれば勝てることを証明。
- 戦術バトルの面白さ: リーズのシステム変更が試合を一変させた。
- 今後の課題: 「後半の弱さ」を克服できるかが優勝へのカギ。
次回の試合では、シティが「後半」にどんな戦いを見せるかに注目してみると、より深くサッカーを楽しめるはずです。


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