オランダW杯メンバー26名発表。日本の初戦相手 シャビシモンズ離脱

ナショナルチーム

W杯2026グループFの初戦(6月14日)で日本と対戦するオランダ代表が、5月27日に本大会メンバー26名を発表した。最大の話題は、エースとして期待されていたシャビ・シモンズの右膝ACL断裂による離脱だ。強力な布陣は変わらないが、確かな穴が生まれた。日本にとってどんな意味を持つのか。

26名の顔ぶれと、2日遅れた発表の背景

発表は当初の予定から2日遅れた。より慎重な選考を行うためとされており、コーマン監督がギリギリまで判断を重ねた形だ。最終的に選ばれた26名は以下の通り。

GK:バルト・フェルブルッヘン(ブライトン)、ユスティン・ビジョウ(ジェノア)、マルク・フレッケン(バイヤー・レバークーゼン)

DF:ファン・ダイク(リバプール/主将)、ミッキー・ファン・デ・フェン(トッテナム)、ヤン=ポール・ファン・ヘッケ(ブライトン)、ネイサン・アケ(マンチェスターシティ)、デンゼル・ダンフリース(インテル)、ジェレミー・フランポン(リバプール)、ルッツァレル・ヘールトルイダ、ジョレル・ハト(チェルシー)、ユリエン・ティンバー(アーセナル)

MF:フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)、ライアン・フラフェンベルフ(リバプール)、ティジャニ・ライニルス(マンチェスターシティ)、トゥン・クープマイネルス(ユヴェントス)、クインテン・ティンバー(マルセイユ)、ジェルディ・スハウテン(PSV)

FW:コーディ・ガクポ(リバプール)、メンフィス・デパイ(コリンチャンス)、ドニエル・マレン(ローマ)、ノア・ラング(ガラタサライ)、ブライアン・ブロビー(サンダーランド)、ウート・ウェクホルスト(アヤックス)、ジャスティン・クリュイフェルト

主力のファン・ダイク、デ・ヨング、ガクポ、ウェクホルストはいずれも順当に名を連ね、戦力としての骨格は十分に整っている。

シャビ・シモンズ、ACLで離脱。「心が張り裂けそうだ」

最大の衝撃は、4月に断裂が確定したシャビ・シモンズの落選だ。トッテナムのユニフォームを着て出場したウォルバーハンプトン戦(4月26日)で後半に倒れ込み、担架で運ばれた。トッテナムは後日「右膝の前十字靭帯(ACL)を断裂した」と正式に発表。復帰まで約8か月とされている。

シモンズは自身のInstagramでこう記した。「サッカー人生は残酷なこともある。今日はまさにその日だ。シーズンが突然終わってしまった。正直、心が張り裂けそうだ。何も意味をなさない。チームのために戦いたかった。その機会がW杯とともに奪われてしまった(All I’ve wanted to do is fight for my team and now the ability to do that has been snatched away from me, along with the World Cup.)」。

2024年EURO(欧州選手権)でオランダの準決勝進出を支えた立役者のひとりであり、23歳という年齢を考えれば、今大会が人生初のW杯になるはずだった。その夢が、リーグの一戦で終わった。海外ファンの間でも「大会最大の離脱のひとつ」と惜しむ声が広がっている。

シモンズ不在で、オランダの攻撃はどう変わるか

シモンズが担っていたのは、アタッキングサードへの侵入と局面を変えるドリブルだ。コーマン監督の4-3-3(攻撃時は3-2-5に可変)において、彼はいわば「相手の嫌なところに自ら走り込む」役割を持っていた。その穴を誰が埋めるかが今大会の注目点となる。

有力候補はティジャニ・ライニルスだ。マンチェスター・シティでプレミアリーグ優勝を経験し、ボールを受けてからの判断速度と中距離シュートに定評がある。加えて、ノア・ラング(ガラタサライ)が左サイドでの仕掛けで起用される可能性もある。ただし、シモンズほど試合の流れそのものを変えられるタイプかどうかは未知数だ。

6月14日、日本の相手は「FIFAランク7位」の強豪

日本vsオランダの初戦は6月14日(日本時間6月15日月曜5:00)、ダラス・スタジアム(テキサス州ダラス)で行われる。会場はAT&Tスタジアムが2026 W杯期間中にFIFA規定により改称されたもので、収容人数は約9万5000人。大会最大規模の舞台だ。

オランダは欧州予選を無敗で突破しており、FIFAランキングでも7位に位置する実力国だ。日本にとってグループF最大の難関であることは間違いない。オランダとの対戦は2010年南アフリカW杯以来、16年ぶりとなる。あのときは、スナイデルの1ゴールに泣いた0-1の敗戦だった。

日本の勝機と、シモンズ不在が持つ意味

日本の武器は三笘薫・伊東純也の両翼を使ったカウンターアタックだ。ファン・ダイクとファン・デ・フェンのCBコンビは世界最高クラスだが、SBが前がかりになった背後のスペースは狙いどころになる。冨安健洋と伊藤洋輝のCBコンビがいかにオランダのフロント3を封じ、素早くサイドに展開できるかが勝負の分岐点だ。

シモンズ不在の影響は、単純に「強い選手が1枚減った」以上の意味を持つ。彼はオランダの攻撃において最も予測不能な選手であり、守備側にとって的を絞りにくい存在だった。その不確定要因が消えた分、日本のディフェンスラインは相手の攻撃をある程度予測しやすくなる。「絶対に勝てる相手」ではないが、「勝てる可能性がある相手」として見られるようになったことは確かだ。

Reddit上では「Japan could realistically take a point from the Netherlands now(日本はオランダからリアルにポイントを取れる)」という声も出ており、海外ファンの一部も日本の健闘を期待し始めている。

6月14日まで何を見ておくべきか

発表されたメンバーで最も注目すべきは、コーディ・ガクポだ。リバプールでゴールを量産し、今まさに絶頂期にある。2024年EURO(欧州選手権)でもグループリーグ3得点と活躍した経験値は侮れない。ウェクホルストのポストプレーを起点に、ガクポが仕上げるシーンが最も多く生まれると見られる。

一方で日本は、初戦の結果がグループ突破確率を大きく左右する。オランダ戦で勝ち点を拾えれば、続くスウェーデン戦・チュニジア戦の戦い方に余裕が生まれる。逆に大差で負ければ、グループ全体が厳しくなる。

シモンズがいないオランダは、確かに少し戦いやすくなった。しかしコーマン監督のチームには、それでも世界最高クラスの選手が並んでいる。6月14日のダラスは、日本代表の真価を試す舞台だ。

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