2026年5月3日、オールド・トラッフォード。リヴァプールは前半わずか14分で0-2のビハインドを背負い、後半に驚異の2-2同点に追いついたにもかかわらず、最終的に3-2で敗れた。
試合後、アルネ・スロット監督はカメラの前でこう言い放った。「失点の仕方が”ridiculous(ばかげている)”だ。そしてVARの判定については、驚きではない。今季ずっと同じパターンだ(That has been our whole season)」。
これは怒りのコメントではなく、今シーズンの苦悩をそのまま口にした言葉だった。単なる敗戦コメントとして流してしまうには、あまりにも重い一文だ。
前半2点差から追いついて、なぜまた負けたのか
試合はわずか6分でクーニャが先制。マク・アリスターへの当たりが幸運な跳ね返りとなってゴール右隅に転がり込んだ。そこからわずか8分後の14分、さらにシェスコが追加点を奪い、前半での2-0という状況はリヴァプールを完全に沈黙させた。
しかし後半に入ってリヴァプールは息を吹き返す。2点を追いつき、2-2の同点。むしろ流れはリヴァプールに傾き、逆転もあり得る空気が漂った。だが77分前後、コビー・マイヌーが冷静に決勝ゴールをたたき込み、試合を決定づけた。
追いついて、手が届きそうで、でも届かなかった。この流れこそが今季のリヴァプールの縮図と言える。
シェスコのゴールはハンドだったのか
試合中最も物議を醸したのは、シェスコの2点目だ。クロスがリヴァプール第3GKのフレディ・ウッドマンに当たって跳ね返り、シェスコのもとへ。テレビ映像ではボールが彼の指に触れた可能性が見受けられたが、VARは長い検証の末にゴールを認定した。
プレミアリーグ公式は「シェスコがハンドをしたという決定的な証拠はなかった(no conclusive evidence)」とXで声明を発表。ルール上は映像で「明らかに」証明できなければゴールを取り消せないため、この判定自体はルールに則ったものだ。
問題はスロットが「驚きではない」と言ったことだ。VARの個別判定への異議ではなく、「今季のパターン」として括った。これがファンやメディアの間で波紋を呼んだ。
「今季ずっと同じだ」という言葉の重さ
スロットが口にした”That has been our whole season”という一言は、選手や戦術の問題を超えた何かを示唆している。
今季のリヴァプールはプレミアリーグで10敗。これは2015-16シーズン以来、実に10年ぶりの多さだ。しかも2023-24と2024-25の2シーズン合計の8敗を、今季一シーズンで上回った。全コンペを合わせると17敗に達し、FA杯は5回戦で姿を消している。
さらに数字が雄弁に語る事実がある。今季リヴァプールはビッグチャンスを102回も外しており、ミス率32.9%はリーグで3番目に悪い。チャンスは作れるのに決められない。そして試合を支配しながら、最後に逆転される。今日の試合はその典型的な再現だった。
それでも5位以内に踏みとどまっている現実
崩れながらも、リヴァプールは現在PL5位(58ポイント)。6位のブライトンとは6ポイント差以上あり、UCL出場権は依然として手中にある。
今季からUEFAの規定変更によりイングランドからは5チームがCLに参加できるため、クロップ時代なら届かなかった順位でも滑り込める可能性がある。皮肉な話だが、「これほど崩れてもCLに出られる」のが2025-26シーズンのプレミアリーグの現実だ。
残り3試合。このリヴァプールは本当にCLに値するのか——そしてスロットは来季も指揮を執るのか。答えはこのシーズンの最後の章で出る。
