W杯直前に、これ以上ない形で結果を残した。5月23日のベルギーリーグ・プレーオフ2最終節、ゲンクはOHルーヴェンを2-0で下し、伊東純也と横山歩夢が1ゴールずつを記録。ゲンクはPO2を首位で通過し、5月31日のECL(UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ)予選出場決定戦への切符を手にした。
試合の概要
ベルギー現地時間5月23日に行われたプレーオフ2第10節(最終節)、OHルーヴェン戦でゲンクは2-0の完封勝利を飾った。伊東純也と横山歩夢はともに先発フル出場。前半16分に伊東が先制点を決め、今季の全コンペティション通算6得点目を記録した。横山はベルギー1部リーグのトップチームとして初ゴールを決める活躍を見せた。
試合前の時点でPO2首位はスタンダール・リエージュだったが、同節でスタンダールが敗れたことでゲンクが逆転首位に浮上。この勝利で首位通過を確定させた。ECL出場権をかけた決定戦は5月31日、PO1(上位プレーオフ)5位のクラブを相手に行われる。
横山歩夢、ベルギー1部でついに初ゴール
2003年生まれ、23歳の横山歩夢にとって、この得点がどれだけ意味を持つか。少しキャリアを振り返ると見えてくる。
松本山雅(J2/J3)でプロキャリアをスタートし、サガン鳥栖(J1)を経て、2024年夏に欧州へ渡った。最初の移籍先はイングランド3部(EFLリーグワン)のバーミンガムシティ。公式戦19試合(リーグ戦は10試合)の出場に留まり、レギュラー定着には至らなかった。転機となったのは2025年2月。ゲンクのセカンドチーム「ヨングゲンク」にローン加入し、ベルギーの地で9試合1得点を記録してリズムをつかんだ。そして同年6月25日、推定300万ユーロ(約4億8000万円)の移籍金でゲンクへの完全移籍を果たし、2029年まで4年契約を締結した。
今季のベルギー1部では、PO2を含め積み上げてきたものが花開いた形だ。フル出場を果たした大舞台でのゴールは、ゲンクでの本格的なキャリアの幕開けを告げる一発になった。
伊東純也、W杯前の最後の試合でゴール
伊東純也にとってもこの試合は特別な意味を持つ。5月15日に発表された日本代表のW杯26人メンバーにFWとして選出されており、FIFAの大会規定により5月24日以降は代表への招集義務が発生する。事実上、この5月23日のルーヴェン戦がW杯前の最後のクラブ公式戦になる可能性が高い。そのラストゲームでゴールを決めたことは、最高の状態で代表活動に入れる自信になるはずだ。
W杯代表では、負傷で選外となった三笘薫の穴を埋める右サイドの主役としての役割が期待されている。今季ゲンクで全コンペティション6得点という結果は、代表スタッフにとっても心強い数字といえる。
4人の日本人が戦ったベルギーの一戦
この試合には特筆すべき背景がもうひとつある。対戦相手のOHルーヴェンにも、日本人選手がいた。DF大南拓磨(川崎フロンターレから完全移籍済み)とMF明本考浩がフル出場しており、ゲンクの伊東・横山と合わせて4人の日本人選手が同じピッチに立った。
ベルギーリーグは近年、日本人選手にとって欧州挑戦の足がかりとして機能している。ゲンクとルーヴェンという同リーグの2クラブに計4人が所属し、直接対決するケースは日本代表の層の厚さを示すと同時に、欧州の中規模リーグで日本人が評価されている現実の一端でもある。
PO2とECLの仕組み、簡単に解説
ベルギーリーグ(ジュピラー・プロリーグ)はシーズン終盤に独自のプレーオフ制度を設けている。上位6チームが優勝とCL・EL出場権を争うPO1とは別に、7〜12位の6チームはPO2(Conference Leagueプレーオフ)に回り、ECL予選出場権をかけて争う。PO2の首位通過クラブはPO1の5位クラブと決定戦を行い、勝者がECL予選へと進む仕組みだ。
ゲンクはPO2首位で通過したが、前述のFIFAルールにより伊東純也はこの決定戦に出場できない見込みだ。ECL出場権獲得のかかる大一番を、残ったメンバーで戦うことになる。横山歩夢にとっては、伊東なき舞台でどこまで存在感を示せるか。5月31日は、ゲンクと横山の次章を占う一戦にもなる。

