守田英正ハルデビュー戦でPK成功 カラバオ杯2回戦で日本人9人出場

イングランド

EFLカップ(カラバオ・カップ)2回戦では、日本人選手が各地で出場した。中でも守田英正はハル・シティで公式戦デビューを飾り、PK戦では1人目のキッカーとして成功。田中碧は先発でリーズ・ユナイテッドの勝利に貢献し、前田大然も途中出場で3回戦進出を経験した。

一方、森下龍矢はアシストを記録したもののブラックバーン・ローヴァーズは敗退。同僚の大橋祐紀は開始早々に負傷交代するなど、日本人選手の明暗が分かれる一日となった。

なお、日本時間8月26日午前の時点では2回戦の全日程は終了していない。ここでは英国時間8月25日に行われた試合を中心に、日本人選手の結果と現在地を整理する。

守田英正がハルでデビュー、PK戦1人目を成功

今回の日本人選手で最大のトピックとなったのが、ハル・シティの守田英正である。

ストーク・シティとの一戦でベンチスタートとなった守田は、1-1で迎えた59分に途中出場。今夏にスポルティングから加入して以降、これがハルでの公式戦デビューとなった。

守田は中盤に入り、正確なポジショニングとパスで攻撃の組み立てに関与。守備でも相手のパスコースを読み、インターセプトから危険を未然に防ぐ場面を作った。

ただ、90分間では決着がつかず、試合は1-1のままPK戦へ。そこで大きな役割を任された。

ハルは後攻。チームの1人目としてボールをセットしたのが、デビュー戦の守田だった。

守田は左足でゴール左下へしっかりと決めて成功。その後もハルは5人全員がPKを決め、ストークを5-4で退けて3回戦進出を決めた。

加入直後のデビュー戦でいきなりPK戦の先頭を任されたことは興味深い。

もちろん、これだけでチーム内の序列や絶対的な信頼を断定することはできない。しかしPK戦の1人目は試合の流れを左右しかねない役割であり、新加入選手にとって簡単な仕事ではない。

ポルトガルのスポルティングでは国内タイトル争いや欧州カップ戦を経験してきた守田。プレッシャーのかかる状況で冷静さを保てる経験値も、ハルが期待している部分だろう。

まずはカップ戦でイングランドでの第一歩を踏み出した。次に期待されるのはプレミアリーグでのデビューである。

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田中碧が先発、リーズはフォレストを2-0撃破

リーズ・ユナイテッドの田中碧も、重要な出場機会を得た。

ノッティンガム・フォレスト戦で先発すると、中盤で68分までプレー。26分には警告を受けたものの、ボール保持時にはパスを散らし、前半30分にはスルーパスからダニエル・ジェームズのシュートにつながる場面も作った。

試合はリーズが2-0で勝利。田中も先発メンバーの一人として3回戦進出を経験した。

田中にとって今回の先発には、結果以上の意味がある。

直前のプレミアリーグでは出場機会を得ておらず、EFLカップは実戦時間を確保して監督へアピールできる重要な舞台だった。

現地メディアの評価では、立ち上がりのエネルギッシュなプレーやショートパスを評価する声がある一方、時間の経過とともに試合への影響力が小さくなったとの指摘もあった。

つまり「圧倒的なアピールに成功した」という試合ではない。

それでも、プレミアリーグのノッティンガム・フォレストを相手に先発し、約70分をプレーして無失点勝利を経験できたことはプラス材料である。

シーズン序盤は序列が動きやすい時期でもある。ここからリーグ戦で出場時間を増やせるかが、田中にとって次の焦点になる。

前田大然は終盤から出場、イプスウィッチが3回戦へ

イプスウィッチ・タウンの前田大然は、レスター・シティ戦で81分から途中出場した。

チームは3-1で勝利。前田自身にゴールやアシストはなかったが、終盤の約10分間をプレーして勝ち上がりを経験した。

ただし、今回のベンチスタートを序列低下と見る必要はない。

前田は直前のリーグ戦では先発し、約80分間プレーしている。中2日程度でカップ戦を迎える日程を考えれば、EFLカップでは先発組を入れ替え、必要に応じて終盤から投入するという使い方は珍しくない。

田中がリーグ戦で出場できなかった後にカップ戦で先発したのとは対照的である。

同じEFLカップでも、田中にとっては「出場時間を得る試合」、前田にとっては「リーグ戦を見据えながら限定的に使われる試合」という違いが見える。

今季の前田にとってより重要なのは、プレミアリーグでどこまで継続して先発機会を得られるかだ。カップ戦で温存に近い形となったことも、その視点から捉える必要がある。

森下龍矢がアシスト、大橋祐紀は11分で負傷交代

ブラックバーン・ローヴァーズでは、日本人2選手に明暗が分かれた。

シェフィールド・ユナイテッド戦に先発した森下龍矢は、0-1で迎えた55分にオラダポ・アフォラヤンの同点ゴールをアシストした。

森下はそれ以前にも右サイドから積極的に攻撃へ関与。前半35分にはクロスからアフォラヤンのヘディングシュートにつながる場面を作り、後半開始後には自らシュートを放っている。

単純に「1アシストを記録した」というだけでなく、チャンスを作る役割を複数回担っていたことがポイントだ。

しかしブラックバーンはその後に再び失点し、1-2で敗退。森下個人としては結果を残したものの、3回戦進出には届かなかった。

さらに心配なのが大橋祐紀である。

大橋も先発したが、試合開始直後にアクシデントが発生。プレー続行が難しくなり、11分にアフォラヤンとの交代を余儀なくされた。

現時点では負傷箇所や離脱期間について明確な公式診断は確認できていない。

そのため重傷と断定することはできないが、シーズン序盤だけに状態は気掛かりだ。

結果的には、大橋との交代で入ったアフォラヤンが後半に得点し、そのゴールを森下がアシストした。同じブラックバーンに所属する日本人2選手のニュースが、一つの試合の中で対照的なものになった。

坂元達裕はフル出場、コヴェントリーが4得点で勝利

コヴェントリー・シティの坂元達裕は、プリマス・アーガイル戦で先発した。

坂元は90分間フル出場し、チームは4-2で勝利。自身にゴールや公式アシストは付かなかったものの、最後までピッチに残って3回戦進出に貢献した。

坂元についても、田中と同様に出場時間そのものが重要である。

直前のリーグ戦では出場機会を得られなかったため、EFLカップでフル出場できたことは、監督へアピールするうえで意味を持つ。

ゴールやアシストがなければ、日本では「活躍なし」と処理されやすい。しかしカップ戦では、リーグで出番を得られていない選手が90分間の実戦をこなせること自体が大きい。

次の焦点は、このフル出場をリーグ戦での起用につなげられるかどうかだ。

松木玖生は途中出場、菅原由勢はメンバー外

サウサンプトンはウェストハム・ユナイテッドと対戦し、1-4で敗退した。

松木玖生は60分から途中出場。すでに難しい展開となった試合で約30分間プレーしたが、流れを大きく変えるまでには至らなかった。

一方、菅原由勢は登録メンバーから外れた。

現時点ではメンバー外となった理由について明確な公式説明は確認できていない。そのため、負傷やコンディション不良などと断定するのは避けるべきだろう。

サウサンプトンはEFLカップから姿を消したため、今後はリーグ戦へ集中することになる。

松木と菅原にとっても、本当の勝負はそこでどこまで出場時間を確保できるかだ。

藤本寛也が先発、岩田智輝も出場もバーミンガムは大敗

バーミンガム・シティはプレミアリーグのブレントフォードと対戦し、1-6で大敗した。

藤本寛也は先発し、61分までプレー。前半にはデマライ・グレイのシュートにつながるパスを送る場面もあったものの、直接的な得点関与は記録できなかった。

岩田智輝は83分から途中出場。すでに試合の大勢が決まった状況だったため、大きなインパクトを残すことは難しかった。

6失点という数字は厳しいが、その結果を日本人2選手だけの問題として捉えることはできない。

プレミアリーグ勢を相手に、バーミンガムがチーム全体として守備を崩された試合である。

藤本にとっては先発機会を得たこと、岩田にとっては短時間ながら公式戦に入ったことを、今後のリーグ戦へどうつなげるかが重要になる。

守田、田中、前田で異なったカップ戦の意味

今回のEFLカップ2回戦を見ると、日本人選手にとってカップ戦が持つ意味は一様ではないことが分かる。

最も大きな一歩を踏み出したのは守田だ。

新天地で初めて公式戦のピッチに立ち、そのままPK戦では1人目を成功。短い出場時間でも、デビュー戦として十分に印象を残した。

田中はリーグ戦で出番を得られなかった後に先発し、実戦時間を確保した。坂元も同様にフル出場している。この2人にとっては、カップ戦がリーグ戦の序列を変えるためのアピールの場となる。

一方、前田は直前のリーグ戦で先発した後、カップ戦では終盤からのみ出場した。むしろリーグ戦を優先するためのローテーションと見ることもできる。

森下は敗退したとはいえアシストという明確な結果を残した。

EFLカップは単なる「控え組の大会」ではない。

出場機会を求める選手、新天地に適応する選手、リーグ戦の主力として負荷を管理される選手。それぞれの起用法を見ることで、チーム内における現在地も浮かび上がる。

2回戦はまだ継続、高井幸大の起用にも注目

EFLカップ2回戦は、英国時間8月25日の試合だけでは終わらない。

トッテナム・ホットスパーは26日にチャールトン・アスレティックと対戦する予定で、高井幸大に出場機会が訪れるかも日本人ファンにとって注目ポイントになる。

カップ戦ではリーグ戦よりもメンバーを入れ替えるクラブが多く、若手や新戦力にチャンスが与えられるケースも少なくない。ただし、現時点で高井の先発や出場が確定しているわけではない。

初日を終えた段階では、守田のデビューとPK成功が最大のトピックとなった。

さらに田中は先発で勝利、前田も途中出場で3回戦へ進出。森下はアシストを記録した一方、大橋は負傷交代と、日本人選手それぞれに異なるストーリーが生まれている。

今後は2回戦の残り試合だけでなく、ここで得た出場時間や結果がプレミアリーグ、チャンピオンシップでの序列にどう影響するのかにも注目したい。

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