久保建英がついに復帰、レアルソシエダ開幕戦へ焦点は出場時間

スペイン

久保建英が実戦に戻った。レアル・ソシエダの一員として8月8日の1.FCケルン戦で61分から出場し、6月のW杯で左膝を痛めて以来、初めて試合のピッチに立った。試合はソシエダが1-2で敗れたが、久保にとっては開幕へ向けた現在地を確かめる約29分となった。

試合後、久保は大勢のファンの前でプレーできたことを喜び、「サッカーができて楽しかったです」と語った。この言葉の重みは、負傷からの経緯と、ソシエダ攻撃陣の現状を重ねるとよく見える。

61分から、3万7000人の前で復帰

舞台はケルンのラインエネルギー・シュタディオンだった。1.FCケルンはこの一戦を夏のプレシーズンの目玉と位置づけ、現地の大観衆は3万7000人。親善試合の空気を超えたアウェイの熱量の中、久保はアンデル・バレネチェアに代わって61分に入った。

久保は左膝にテーピングを巻いてプレーした。フットボールチャンネルが8月12日に紹介したインタビューでは、W杯での負傷後初の実戦だったことを自ら説明。「久しぶりに観客の前で」プレーできた喜びを率直に口にした。

実戦への復帰は、トレーニング復帰とは意味が違う。相手と接触し、判断と加速を繰り返し、疲労した状態でもボールを扱う。まずその段階を約29分間こなしたことが、今回の最大の収穫だ。

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W杯初戦の左膝負傷から57日

時計を戻すと6月14日。久保はW杯グループステージ初戦のオランダ戦で左膝を痛めた。ドゥンフリースと膝同士が接触し、75分でピッチを退いた後は大会中に戻れなかった。日本のW杯が終わっても調整は続き、ソシエダへの合流は7月23日となった。

チームは久保を英国遠征のウルヴァーハンプトン戦、アストン・ヴィラ戦で起用しなかった。その段階を経て、負傷から57日後のケルン戦で初めてプレー時間が与えられた。焦りに流されず、トレーニングから実戦へ順序を踏んだ経過がある。

復帰は完全回復のゴールではなく、コンディション作りの次のスタートだ。約29分から出場時間をどう伸ばすか。2週間弱で迎えるリーグ開幕戦に先発するには、ここからの段階が重くなる。

「楽しかった」に滋む実戦の感触

久保が試合後に強調したのは、個人の仕上がりや結果ではなく、観客の前でサッカーをできたことだった。ケルンのスタジアムには親善試合と思えないほどの人が入り、独特のアウェイ感があったと説明している。その空気を開幕前に味わえたことを前向きに捉えた。

そしてケルンの印象を問われると、「エンブレムがカッコイイ」と答えた。ゴールやアシストで飾る復帰ではなかったが、試合後にこうした久保らしい言葉が戻った。長い離脱後の一戦として、プレー以外にも日常への復帰を感じさせる場面だった。

復帰戦は「評価」より「負荷」を見る

この約29分で久保の状態を結論づける材料は少ない。公式な個人スタッツも公表されておらず、この日の主眼はゴールに直結する数字よりも、膝に実戦の負荷をかけられるかにあった。

攻撃の選手には、直線的なスプリントだけでなく、急な減速、方向転換、相手との接触を受けた後の再加速が求められる。久保の強みである細かいタッチと鋭い切り返しは、その積み重ねの上に成り立つ。次戦ではボールを持ったときの技術だけでなく、プレーを繰り返した後も動きの質が落ちないかが焦点になる。

左膝にテーピングを巻きながらも、久保は約29分を最後までプレーした。次の一戦でチームがさらに出場時間を伸ばすか、同程度にとどめるか。その判断が、開幕時の想定を読む手がかりになる。

ソシエダ攻撃陣に戻る選択肢

久保の復帰は、ソシエダにとっても大きい。ASはケルン戦で前線との接続に苦しんだチームが、流れを変えるために久保を投入したと伝えている。右側で相手を引きつけ、内側へ運びながら中盤と前線をつなぐ役割は、チームの攻撃に異なるテンポを加える。

2025-26シーズンの久保は負傷の影響を受け、公式戦の得点は2にとどまった。ASが7月23日に示した集計では、ソシエダ加入後の公式戦164試合で25得点。得点数だけで価値を測るタイプではないが、ゴール前での怖さを取り戻すことは新シーズンの明確なテーマになる。

ミケル・オヤルサバルやゴンサロ・ゲデスはW杯後の合流が遅く、攻撃陣全体が同じ進捗ではない。久保が右サイドで相手を押し下げられれば、中央のオヤルサバルや逆サイドのアンデル・バレネチェアが使える空間も変わる。チェルシー戦は、この組み合わせをどこまで試せるかを見る場になる。

1-2の敗戦が示した、個人復帰とチーム整備の差

ケルン戦は、久保の復帰だけを切り取れば明るいニュースだが、チームの内容は楽観できるものではなかった。ソシエダは5分にリントン・マイナに先制され、10分にケルンのルカ・ロホシュヴィリのオウンゴールで追いついた。しかし77分、アリアン・ヤコビに決勝点を許した。

これでソシエダはプレシーズン3連敗。特にケルン戦では、前線へボールを届ける場面と、クロスへの守備に課題を残した。久保一人の復帰ですべてが解決するわけではない。むしろ、彼が入ったときに中盤と前線の距離をどう整え、奪われた後の右サイドを誰がカバーするかが、ペレグリーノ・マタラッツォ監督の次の作業になる。

個人は復帰へのスタートを切った。一方、チームは攻守の接続を開幕仕様に近づける必要がある。その二つの時計が、残りのプレシーズンでどこまで合うかが焦点だ。

チェルシー戦で「次の30分」を超えられるか

ソシエダの次戦は8月15日、スタンフォード・ブリッジでのチェルシー戦だ。リーグ開幕前最後のテストとなり、久保が開幕に先発できる状態かを測るもっとも具体的な機会になる。

最初に見るべきは、ゴールやアシストではない。出場時間が30分前後からどこまで伸びるか、後半に入っても方向転換とプレスの強度を保てるか、接触後も次のプレーへ移れるか。それらが揃えば、ソシエダは右サイドに本来の攻撃の起点を置ける。

ラ・リーガ開幕戦は日本時間8月22日のレアル・ベティス戦。ケルンで戻った約29分を、チェルシー戦でどこまで積み上げられるか。8月15日の起用法が、開幕の右サイドを占う最初の答えになる。

よくある質問

久保建英はいつ実戦復帰した?

2026年8月8日のプレシーズンマッチ、1.FCケルン戦で61分から途中出場した。

久保建英はなぜ離脱していた?

2026年W杯初戦のオランダ戦で左膝を負傷し、その後の大会を欠場した。

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