フランス、ドン引き堅守のパラグアイに1-0勝利で8強進出 エムバペPK得点

ナショナルチーム

北中米ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント2回戦で、フランス代表がパラグアイ代表と対戦し、1-0の接戦を制して4大会連続のベスト8進出を決めた。前回大会準優勝の実力を見せつける格の違いを見せた一方、試合中には両チームが激しく衝突する一触即発の場面もあり、荒れたゲームとなった。決勝点を挙げたのはエムバペで、この日の得点で今大会7得点目、W杯通算では19得点に到達し、大きな節目を刻んだ。

堅守のパラグアイに苦しんだ前半

現地7月4日(日本時間5日)、フィラデルフィア・スタジアムで行われた一戦は、FIFAランキング3位のフランスとランキング41位のパラグアイという対戦だった。数字上の実力差は歴然としていたが、パラグアイは前半から引いて守るブロックを敷き、フランスの攻撃を粘り強く跳ね返した。

フランスは前半からボールを支配し、MFコネがミドルシュートを放つなど積極的に仕掛けたが、決定的な場面を作りきれなかった。さらにMFデンベレが送ったクロスにエムバペがヘディングで合わせる場面もあったが、これもゴールにはつながらず、前半はスコアレスで終了した。堅守を敷くチームに対してなかなか崩しきれないという、優勝候補にとってはやや歯がゆい前半となった。

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エムバペのPKで先制、メッシに並ぶ7得点目

試合が動いたのは後半、時計が70分(後半25分)を回った頃だった。途中出場のドゥエがパラグアイのペナルティエリア内でファウルを受け、VAR判定によりPKが与えられた。キッカーを託されたエムバペは冷静さを失わず、ゴールキーパーが逆サイドに動く中、逆を突く形で確実に決めきった。

このゴールでエムバペは今大会7得点目を記録し、これまでリオネル・メッシが持っていた大会得点数のトップタイに並んだ。さらにW杯通算得点数も19点に伸ばし、歴代トップクラスの大台にあと一歩というところまで迫っている。エムバペにとっては、単なる勝利以上の意味を持つゴールとなった。

前半から一触即発、乱闘寸前の激しい攻防

この試合を語る上で欠かせないのが、試合を通じて漂った一触即発の空気感だ。前半34分には、パラグアイのMFクバスがエムバペに激しくチャージを見せ、これに怒ったエムバペが両手でクバスを突き飛ばす場面があった。この直後には両チームの選手が一斉に駆け寄り、小競り合いに発展する事態となった。

さらに前半38分には、パラグアイのガラルサがエムバペに対して手刀のような動きを見せる、いわゆる「空手チョップ」を放つ場面もあった。主審の目の前で起きた出来事だったが、この場面ではファウルの判定は下されなかったと報じられている。エムバペへの過激なマークが繰り返されたことは、パラグアイが実力差を跳ね返すための一つの戦い方だったとも言えるが、フェアプレーの観点からは大きな議論を呼ぶ内容だった。

試合後も収まらぬ緊張、審判団への抗議

荒れた展開は試合終了のホイッスルが鳴った後も収まらなかった。試合後にはガラルサを中心にパラグアイの選手たちが審判団に詰め寄る場面があり、緊張感が漂うまま試合が締めくくられた。フランスのデシャン監督はこうした状況を見て、選手たちに早くピッチを離れるよう促すような様子も見られたと報じられている。8強進出という結果を手にしたフランスにとっては、勝利の喜びと同時に、不穏な空気の中での幕切れとなった一戦だった。

フランスファンが見せた強い反発

こうした一連の出来事に対し、フランスのサポーターからは強い批判の声が上がっている。SNS上では「チンピラ野郎ども」といった過激な言葉や、「カード0だと?」というパラグアイの荒々しいプレーに対してカードが一枚も出なかったことへの疑問、「サッカーじゃない」「フェアプレー精神のかけらもない」といった不満の声が相次いだ。

ただし、これらはあくまでファンの受け止め方であり、事実として断定できるものではない点には留意が必要だ。パラグアイ側にも実力差を跳ね返すための必死さがあったことは想像に難くなく、単純な善悪の構図で語るべきではないだろう。それでも、こうしたファンの反応が海外メディアで大きく取り上げられたこと自体が、この試合がいかに異様な緊張感の中で行われたかを物語っている。

4大会連続8強、次戦はモロッコ

荒れた展開はあったものの、フランスは着実に勝利を積み重ね、4大会連続でのベスト8進出を確定させた。これは近年のフランス代表の安定した強さを象徴する数字であり、大会を通じて優勝候補の一角であり続けていることの証でもある。

準々決勝でフランスが対戦するのはモロッコで、試合は現地7月9日(日本時間10日)に予定されている。モロッコもまた勢いに乗るチームであり、フランスにとって決して楽な相手ではない。堅守を敷くチームへの攻略に手こずったパラグアイ戦の反省を、どこまで次戦に活かせるかが問われることになるだろう。

堅守相手への攻略、今後の課題

今回のパラグアイ戦で浮き彫りになったのは、引いて守る相手に対してフランスがなかなか崩しきれないという課題だ。前半の攻撃は迫力があったものの、最終的にはセットプレー(PK)による1点に頼る結果となった。優勝を狙うチームにとって、堅守速攻型のチームとの対戦は今後も避けられないテーマであり、モロッコ戦以降もこうした相手との戦い方が問われる場面が増えるだろう。

一方でエムバペ個人としては、今大会でのゴール数がメッシと並ぶ7点に達し、キャリアハイの充実したパフォーマンスを見せている。荒れた試合の中でも冷静にPKを決めきったメンタルの強さは、チームが厳しい局面を迎えたときの心強い材料になるはずだ。混沌とした一戦を制したフランスが、この経験をどう次に生かすのか、モロッコ戦での戦いぶりに注目が集まる。

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