日本、オーストラリア敗退で、アジア勢9カ国R32で全滅

A代表

FIFAワールドカップ2026北中米大会で、アジア枠から出場した9カ国が全て決勝トーナメントのラウンド32(R32)で姿を消し、ベスト16入りを1カ国も果たせない「アジア勢全滅」という結果に終わった。日本はブラジルに1-2で敗れ、最後の望みを託されたオーストラリアもエジプトとのPK戦で力尽き、大会は幕を閉じた。

過去最多9カ国出場も突破は2カ国のみ

今大会、アジアサッカー連盟(AFC)からは日本、イラン、韓国、オーストラリア、ウズベキスタン、カタール、イラク、サウジアラビア、ヨルダンの9カ国が出場を果たした。48カ国制の導入により出場枠が拡大された結果としては過去最多の規模だったが、グループステージを突破できたのは日本とオーストラリアの2カ国のみにとどまった。残り7カ国はいずれも1次リーグで姿を消し、決勝トーナメントに進んだ2カ国もそのままR32で敗れたことで、アジア勢は最終的に9カ国全てが姿を消す結果となった。

出場国数だけを見れば拡大の恩恵を最も受けた大陸の一つだったにもかかわらず、結果に結びつかなかったというギャップは、大会全体を通じて現地メディアの関心を集めるテーマとなっていた。ベトナムメディア「Lao Dong」は特集記事の中で、9カ国出場という記録的な枠を得たアジアサッカーが「抜本的な改革が必要だ」との論調を展開し、育成・強化体制そのものに疑問を投げかけている。

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日本、王国ブラジルに一時同点も終盤に力尽きる

日本はグループFをオランダ、チュニジア、スウェーデンと同組で戦い、2位で決勝トーナメント進出を決めた。R32では優勝候補の一角であるブラジルとヒューストン・スタジアムで対戦し、前半29分にMF佐野海舟のゴールで先制する場面もあった。

しかし後半56分、カゼミロがヘディングで同点に持ち込み、試合はそのまま緊張感を保ったまま進行した。後半アディショナルタイム5分、ガブリエウ・マルティネッリに決定的な一点を許し、日本は1-2で敗れてノックアウトステージ初戦で姿を消した。日本にとっては前半のリードを守れず、終了間際に失点するという苦い幕切れとなった。

オーストラリア、PK戦の悲劇でアジアの灯が消える

日本の敗退後、アジア勢で唯一決勝トーナメントに生き残っていたオーストラリアは、7月3日(日本時間4日)にエジプトと対戦した。史上初のグループステージ突破を果たしたエジプトを相手に、オーストラリアは3度目のW杯挑戦で初のR32突破を目指したが、前半13分にセットプレーの流れからMFエマム・アシュールにヘディングで先制点を許した。

後半10分、MFエイデン・オニールの左サイドからのフリーキックが相手DFのオウンゴールを誘い、オーストラリアが1-1に追いついた。後半アディショナルタイムにはGKビーチが至近距離のヘディングシュートをスーパーセーブで防ぎ、延長戦でも決着はつかなかった。運命のPK戦では、エジプトがモハメド・サラーの「パネンカ」を含め全員成功させたのに対し、オーストラリアはDFハリー・サウターと18歳のDFヘリントンが失敗し、2-4で敗れた。この結果、日本と同じR32でオーストラリアも姿を消し、アジア勢は全滅という結末を迎えた。

エジプトにとっては自国史上初のノックアウトステージ突破に続く歴史的な一勝となり、現地では大きな喜びとともに報じられている。決勝トーナメント2回戦では、アルゼンチンとカーボベルデの勝者と対戦する予定だ。

グループステージから続いた苦戦の軌跡

アジア勢の苦戦は決勝トーナメント以前から表面化していた。大会序盤、アジア各国は無敗をキープする時期もあったが、大会6日目にイラクがノルウェーに1-4で完敗したことを境に歯車が狂い始めたと現地メディアは分析している。韓国は主将ソン・フンミン(孫興慜)を擁しながらも南アフリカ戦で敗れ、グループステージ敗退が決定的となった際には「アジアの没落」という表現で報じられた。

中国メディア「網易」も連勝ムードから一転して連敗が続いた状況を「崩壊」と評し、当時数少ない希望として日本への期待を寄せるコメントを残していた。結果的に見れば、その「最後の希望」だった日本もR32で敗退し、後を託されたオーストラリアも力尽きたことになる。

海外メディアが指摘する構造的な課題

大会全体を振り返ると、アジア勢は9カ国が出場したにもかかわらず、決勝トーナメント進出はわずか2カ国、そこからのベスト16進出はゼロという結果に終わった。ベトナムメディアが指摘した「抜本的な改革」という論調は、単発の大会結果ではなく、アジアサッカー界全体の育成・強化構造に向けられたものだ。出場枠の拡大という「量」の増加が、必ずしも「質」の向上や決勝トーナメントでの突破力に直結していないという構造的な課題が浮き彫りになったと言える。

過去の大会と比較すると、2014年ブラジル大会では出場4カ国全てがグループステージで敗退する全滅を経験しており、当時から12年を経て出場国数は9カ国まで増加したものの、決勝トーナメントでの「壁」自体は依然として高いことがうかがえる。出場枠の拡大だけでは、アジアと欧州・南米の強豪国との実力差を埋めることはできないという現実が、今大会でも改めて示された形だ。

今後への課題

日本にとっては、グループステージでオランダやスウェーデンと渡り合い、ブラジルにも一時リードを奪う場面を見せたことは収穫と言えるが、終盤の失点で敗れたことは今後への教訓となるだろう。オーストラリアにとっても、PK戦という僅差での敗退は、決勝トーナメント初勝利という目標に向けた悔しい結果として残る。

アジア全体としては、次回大会に向けて出場枠拡大を「結果」に転換するための強化策が問われることになる。各国協会がどのように育成システムや強化体制を見直すかが、次のワールドカップでのアジア勢の巻き返しを左右する鍵となりそうだ。

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