ベルギー0-2からの逆転劇でセネガルに勝利 8年前の日本戦想起

ナショナルチーム

FIFAワールドカップ2026、決勝トーナメント1回戦。7月1日(現地時間、日本時間2日)にシアトルのルーメン・フィールドで行われたベルギー対セネガルは、後半終盤までセネガルが2点をリードしていた展開から、ベルギーが延長戦の末に3-2で逆転勝利するという歴史的な一戦となった。この劇的な結末は、8年前のロシアW杯決勝トーナメント1回戦で日本代表がベルギーに味わった「ロストフの悲劇」を彷彿とさせるとして、日本のサッカーファンの間でも大きな話題を呼んでいる。

優勢だったセネガル、GK不在のハンデを乗り越えて先行

試合はセネガルが主導権を握る展開で始まった。前半25分、ハビブ・ジャラがゴールを決めて先制すると、後半に入った51分にはイスマイラ・サールが追加点を挙げ、2-0とリードを広げた。セネガルはこの試合、正GKエドゥアール・メンディが膝の負傷で欠場するという不利な状況にあったにもかかわらず、終盤まで試合を優勢に進めていた。2002年大会以来となる決勝トーナメント初勝利まで、あと一歩のところまで迫っていたのである。

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わずか3分間で流れが一変 ルカクとティーレマンスの一撃

しかし試合終盤、劇的な展開が待っていた。後半41分(86分)、ハーフタイムから途中出場していたロメル・ルカクが1点を返すと、セネガル陣営に動揺が走る。そのわずか3分後の89分、レアンドロ・トロサールの正確なクロスにユーリ・ティーレマンスが頭で合わせ、同点に追いついた。わずか数分の間に2点差が消え去るという、誰も予想しなかった展開だった。

試合は1-1のまま延長戦へ突入。両者一歩も譲らない攻防が続いたが、延長後半のアディショナルタイム(125分)、VARの判定でベルギーにPKが与えられる。この場面でも冷静だったのがティーレマンスだ。プレッシャーのかかる場面で正確にゴール左隅へ流し込み、3-2としてベルギーが劇的な勝利を掴んだ。

海外メディアも興奮 「怒りが原動力に」

この試合は世界中のメディアから絶賛を浴びている。Al Jazeeraは「ベルギーがほぼ不可能な逆転を成し遂げた」と報じ、Reutersは「ベルギーの怒りが不運なセネガルへの信じられない逆転劇の原動力になった」と分析した。Reutersの報道によれば、後半の給水タイムを利用してルディ・ガルシア監督が選手たちを鼓舞し、それが終盤の反撃につながったという。Fox Sportsも「ミニシリーズに値するほどの劇的な結末だった」と評し、今大会屈指の名勝負として称えている。

ティーレマンス、8年越しの成長物語

今回のヒーローとなったティーレマンスには、もう一つの物語がある。Reutersが指摘しているように、2018年ロシア大会の準決勝では出場すらしていなかった選手が、8年の時を経て今度は自らチームを救う決勝点を叩き出したという構図だ。同時に、ロシア大会当時からベルギー代表を支え続けているロメル・ルカクも今大会通算7得点目を記録しており、新旧世代が力を合わせて奇跡を演出した形となった。

ロストフの悲劇との既視感 しかし展開は異なる

日本のファンがこの試合に既視感を覚えたのも無理はない。2018年ロシアW杯決勝トーナメント1回戦、当時のベスト16で日本代表は2-0とリードしながら、後半にベルギーに追いつかれ、ロスタイムのコーナーキックからのカウンター攻撃で決勝点を許すという劇的な逆転負けを喫している。今回もベルギーが2点差を跳ね返した点では共通しているが、展開の細部は異なる。日本戦では同点に追いつかれた後、ロスタイムの一瞬の隙を突かれて敗れたのに対し、今回のセネガル戦では終盤3分間で一気に同点へ持ち込み、その後は延長戦の末にPKで決着がついている。それでも「土壇場でベルギーに逆転される」という結末の共通性から、日本のSNS上では「トラウマ」「今日もベルギーがベルギーした」といった反応が数多く見られた。こうした声はあくまでファンの感想であり、両試合の戦術的な展開が同一というわけではない点は正確に理解しておきたい。

セネガルにとっては痛恨の敗退

一方のセネガルにとっては、この上なく悔しい結果となった。GKメンディを欠く厳しい状況の中、前半から積極的に得点を重ね、あと一歩のところまで大会初の決勝トーナメント突破に迫っていただけに、終盤でのまさかの失速は大きな痛手だ。マネを擁するセネガルの健闘は評価されるべきだが、W杯という大舞台特有の重圧が最後の数分間に牙を剥いた形となった。

次戦は開催国アメリカとの一戦に

この劇的勝利により、ベルギーはベスト16進出を決定づけた。対戦相手は同日にボスニア・ヘルツェゴビナを下して勝ち上がった開催国アメリカに決まっており、試合は7月6日(現地時間)にベルギーと同じシアトルのルーメン・フィールドで行われる予定だ。アメリカとベルギーの対戦は2014年ブラジル大会の決勝トーナメント1回戦以来3度目のW杯での対戦となり、両者はこれまでの2度の対戦で1勝1敗と五分の成績を残している。開催国としてベスト8進出という24年ぶりの快挙を目指すアメリカにとっても、勢いに乗るベルギーとの一戦は今大会屈指の注目カードとなりそうだ。

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