怪物ハーランド決勝弾でノルウェーがW杯史上初のノックアウトステージ勝利

ワールドカップ

2026年6月30日(現地時間)、FIFAワールドカップ北中米大会のラウンド32(決勝トーナメント1回戦)で、ノルウェーがコートジボワールに2-1で勝利した。後半86分、アーリング・ハーランドが決勝弾を叩き込み、ノルウェー史上初となるワールドカップ・ノックアウトステージでの勝利を導いた。ノルウェーは次のラウンド16でブラジルとの激突が決定している。

ノルウェー、W杯史上初の快挙

1938年大会、1994年大会、そして1998年フランス大会と過去3度のワールドカップ出場を経ても、ノックアウトステージで勝利したことのなかったノルウェーが、ついにその悲願を達成した。1998年大会以来28年ぶりとなった今大会、グループステージではイラクに3-1、セネガルに3-2と粘り強く勝利を重ねた末に迎えたラウンド32でも、”怪物”が最後の一仕事をやってのけた。

テキサス州アーリントンのダラス・スタジアムに詰めかけた69,665人の観衆が見守る中、試合全体を通じてコートジボワールに主導権を握られながらも、要所でノルウェーの個が光った。スタッツだけを見れば、シュート数14対9、コーナー数14対3とコートジボワールが圧倒していた。それでも「xG(期待得点)でノルウェーが2.02対1.36と上回った」というデータが示すように、数字の見かけよりも危険なチャンスを作り続けたのは北欧の雄のほうだった。

スポンサーリンク

ヌサの芸術弾と、ディアロの反撃

試合を最初に動かしたのはノルウェーだった。前半39分、左サイドでボールを持ったFWアントニオ・ヌサ(ライプチヒ)が中央へカットイン。右足で放ったカーリングシュートはゴール右上隅へ吸い込まれ、ヌサのワールドカップ初ゴールが決まった。

しかしコートジボワールも黙ってはいなかった。後半に入ると攻勢を強め、74分に途中出場したMFアマド・ディアロ(マンチェスター・ユナイテッド)が見せ場を作る。右サイドでボールを受けたディアロは鋭いドリブルで仕掛け、得意の左足でネットを揺らした。試合は振り出しに戻り、スタジアムの空気が一変した。コートジボワールはこの時間帯からさらに攻勢を強め、ノルウェーゴールを包囲し始めた。

「消えた男」が86分に仕留める

「1時間以上ほとんど試合から消えていたが、たった1タッチで試合を決めた」——現地メディアはそう表現した。後半41分、右サイドから途中出場のMFオスカー・ボブが縦に切り込み、ペナルティエリア内のMFパトリック・ベルグへ絶妙なスルーパスを送る。ベルグがペナルティエリア内から中央へ折り返すと、そこにはアーリング・ハーランドが静かに待ち構えていた。左足で柔らかく押し込み、今大会3戦連発となる5ゴール目が生まれた。

試合後、ハーランドは喜びと疲弊を率直に吐露した。「もうヘトヘトだった。延長戦はごめんだった」と本音を明かしつつも、次の大一番については「ブラジル戦か……まったくもってクレイジーだよ」と笑いながら語った。一方のディアロは「ハーランドにスペースを与えすぎた」と悔しさを滲ませた。

今大会5ゴール、得点ランク単独2位

ハーランドは今大会すべての試合でゴールを決めており、スコアシートに名を刻んだ試合は3試合で5ゴールに達した(対イラク2、対セネガル2、対コートジボワール1)。この結果、メッシに次ぐ得点ランキング単独2位に浮上した。ゴールデンブーツ争いでもエムバペ、ヴィニシウス・ジュニオールらを一歩リードし、「最も量産しているのに最もエフォートレスに見える」という現地の評価が固まりつつある。

ノルウェーの欧州予選では8試合16ゴールという超人的な数字を叩き出し、母国を28年ぶりの舞台へ連れ戻したハーランドの”ゴールスコアリング・マシン”としての本領は、より世界が注目するノックアウトステージでこそ際立つ。「ゴールを決めることが俺のスペシャリティだ」——本人もそう語った通りである。

コートジボワールの健闘と若き星ヤン・ディオマンデ

敗れたコートジボワールも特筆に値する戦いを見せた。今大会はグループE(ドイツ、スペイン、ウルグアイが同居した死の組)を勝ち上がっての快進撃であり、W杯ノックアウトステージ進出自体が初の大きなマイルストーンだった。特に19歳のFWヤン・ディオマンデは欧州クラブの注目を集めており、今大会での活躍が今後のキャリアを大きく左右しそうだ。アマド・ディアロのスーパーサブとしての輝きも、コートジボワールの選手層の厚さを示した。

1998年の因縁——伝説の再現を狙う

ラウンド16の相手はブラジルだ。試合日は日本時間7月7日、ニュージャージー州イーストラザーフォードのメットライフ・スタジアムが舞台となる。実はノルウェーとブラジルの対戦には特別な歴史がある。ノルウェーの前回W杯出場となった1998年フランス大会グループステージで、ノルウェーは後半43分・89分の立て続けのゴールでブラジルを2-1と撃破しているのだ。

ブラジルはラウンド32で日本と対戦し、96分のガブリエル・マルティネリ弾でようやく2-1と逃げ切った。守備の連携に課題を残し、特にCBラインの背後を突かれる場面も目立った。高さと裏への抜け出しを武器とするハーランドにとって、これは見逃せない弱点と映るはずだ。28年前と同じカードで、ノルウェーが再び歴史を作れるか。世界中がその答えを待っている。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました