「最後のW杯」とも囁かれる38歳のリオネル・メッシが、2026北中米ワールドカップのグループステージ2試合で5得点を記録し、W杯通算得点をクローゼの世界記録(16)を超える18に更新した。エムバペ、ハーランドも2試合4得点と猛追し、歴史的なゴールラッシュが続いている。
最新得点ランキング(大会12日目・6月23日現在)
6月23日時点の最新状況は以下の通りだ。
| 順位 | 選手 | 国 | 得点 | 主な活躍試合 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | 5 | アルジェリア戦3、オーストリア戦2 |
| 2 | キリアン・エムバペ | フランス | 4 | セネガル戦2、イラク戦2 |
| 2 | アーリング・ハーランド | ノルウェー | 4 | イラク戦2、セネガル戦2 |
| 4 | デニス・ウンダフ | ドイツ | 3 | 56分のプレーで3得点2アシスト |
| 4 | ジョナサン・デイヴィッド | カナダ | 3 | 開催国の象徴的エース |
| 9 | 上田綺世 | 日本 | 2 | チュニジア戦2発(日本人W杯初の1試合複数得点) |
メッシが単独首位、エムバペとハーランドが4得点で横並び2位という三つ巴の構図が形成されている。英国老舗ブックメーカー「ウィリアムヒル」の最新オッズ(23日時点)では、エムバペとメッシが2.75倍で並んでトップとなっており、ハーランドが続く。
38歳メッシが叩き出した歴代新記録
今大会最大の話題は、メッシによるW杯通算得点の歴代記録更新だ。メッシは大会前のW杯通算得点が13。今大会5得点で計18とし、2014年ドイツ大会で樹立されたミロスラフ・クローゼの記録(16)を追い抜いた。2位のロナウド・ナザリオ(15)、3位のゲルト・ミュラー(14)も一気に凌駕した形だ。
「私の記録はもうすぐ破られる。メッシが今大会で、遅くとも次の大会ではエンバペが記録するはずだ」——ドイツメディア『Bild』のインタビューで、クローゼ自身が今年1月にそう予言していたが、それは現実となった。特筆すべきはメッシの年齢だ。38歳でのグループステージ5得点は、大会前の大方の予想をはるかに上回る水準であり、現在インテル・マイアミに所属する”伝説”が、最後のW杯と見られる舞台で最高のパフォーマンスを披露していることに、世界中のメディアが驚きをもって報じている。
次世代の直接対決:エムバペ対ハーランド
4得点で並ぶエムバペ(27歳・レアル・マドリード)とハーランド(25歳・マンチェスター・シティ)は、ともにGS第3節でグループ突破が確定しており、得点王タイトルに向けた上積みがさらに期待される。
なかでも注目されるのが、フランス対ノルウェーのGS第3節(グループI)だ。両チームはすでに勝ち点6で決勝トーナメント進出を決めており、エンバペとハーランドが同じピッチに立つこの試合は、事実上の「得点王争いの前哨戦」となる。韓国メディアも「この一戦が得点王争いの分岐点になる」と指摘するなど、注目度は世界規模に達している。両者の争いは単なる今大会の得点王レースにとどまらず、W杯通算最多得点記録をいつ誰が更新するか——次世代の主役争いそのものでもある。エンバペはこの大会の4得点で通算16となりクローゼに並んだ状態であり、決勝Tに進めば記録更新は時間の問題とも言われている。
規格外のダークホース:ウンダフの超高効率
得点王候補の伏兵として急浮上しているのが、ドイツ代表のデニス・ウンダフだ。わずか56分のプレー時間で3得点2アシストという異次元の効率は、出場選手中トップ。所属するバイエルン・ミュンヘンで仕込まれた抜け出しの鋭さと決定力が、W杯という大舞台でも遺憾なく発揮されている。
ジョナサン・デイヴィッドも3得点で並んでいる。カナダの共催国を代表するストライカーとして、地元の大声援を受けながら得点を積み重ねており、グループステージを首位で通過する勢いだ。アトランタやトロントで沸く地元カナダのファンからすれば、デイヴィッドの活躍は大会そのものを盛り上げる象徴的な存在でもある。
事前に最有力候補の一人と目されていたハリー・ケイン(イングランド・バイエルン・ミュンヘン)は、今大会で2得点にとどまっているが、まだ初戦を終えた段階で、メッシたちより1試合少ない。今シーズンのブンデスリーガでリーグ最多36得点を記録した爆発力が、W杯でも発揮される可能性はある。
誤算:ロナウドの沈黙
クリスティアーノ・ロナウドは1試合を終えて0得点と沈黙している。41歳でポルトガル代表に選出された「レジェンドの最後の挑戦」として世界的な注目を集めてはいるが、今のところゴールネットを揺らせていない。ロナウドの低調は、メッシ・エンバペ・ハーランドの三者構図をより際立たせる要因にもなっている。
上田綺世、世界ランク9位に食い込む快挙
日本代表FW上田綺世(27・フェイエノールト)は、グループF第2節のチュニジア戦で2得点1アシストを記録し、4-0大勝に大きく貢献した。W杯での1試合複数得点は日本人史上初の快挙であり、所属クラブ・フェイエノールトも公式SNSで「ワールドクラスのゴールマシンだ」と絶賛している。
現地報道では、英メディア『スカイスポーツ』が「上田の決定力はハーランドやケインに匹敵する」と評価するなど、その名が世界規模で広まりつつある。大会前には英紙『The Guardian』が得点王候補として名指しした唯一の日本人でもあり、開幕前の予想が現実の数字として証明されつつある。英国老舗ブックメーカーのオッズでは、上田はロナウドより上位に位置する51倍と、現実的な大穴として評価されている。第3節のスウェーデン戦でさらに得点を重ねれば、決勝T進出と合わせて日本サッカー史における新たなページが刻まれることになる。
48カ国・104試合形式が変える得点王の基準
2026大会は史上初の48カ国出場・104試合形式で行われており、グループステージだけで従来より多くのゴールが生まれる構造だ。1958年スウェーデン大会でジュスト・フォンテーンが記録した1大会13得点という伝説的な数字への挑戦も、もはやSFではない。このペースでメッシが7試合(決勝進出の場合)を戦えば、数学的には17得点前後に届く可能性さえある。
グループステージを2試合終えた段階で、すでに得点王争いは「歴史的な様相」と世界のメディアが驚く水準に達している。48カ国制の初開催が、ゴールデンブーツの歴史そのものをも書き換えようとしている。

